仏事に関しては慣習的に行われていることには決まり事が多く、どれが正しい作法なのか分からずに
困っておられる方が多いではないでしょうか。ここでは主に仏事における基本的なしきたりをご説明します。
仏事には、仏教における祭事(仏事的諸行事)と、死者の冥福を祈る行事(家庭的緒儀式)があります。
これらの仏事は地域や宗派によって違いがあります。ここでは日本の多くの地域で行われている伝統的仏事を紹介します。
例えば、お正月になると「すすはらい」を行いますが、江戸時代までは「すすはらい」は神聖な御紋の行事でした。
ここでは、お正月のように、お仏壇もお掃除をして、お飾りをし、お供え物する代表的な仏事を紹介いたします。
・お正月(修正会) 一月
・お彼岸(彼岸会) 春三月と秋九月
お彼岸とは、正しくは「彼岸会」といい、春分・秋分の日をはさんで前後1週間、お墓参りやお仏壇にお参りするなど先祖供養を行います。
したがって、彼岸会には先祖をしのび、今この時を生かされていただいていることを先祖に感謝し、自ら心を穏やかにして精進するものとされます。また、日頃何かと忙しい我が身を振り返り、各寺院で行われている「彼岸法要」に参加して、墓参りだけでは得られない何かを感じるのもよろしいかと思います。
・お盆(孟蘭盆会) 八月
(地域によっては7月ということろもあります)
・お取越(報恩講) 十一月
・年末(歳末勤行) 十二月一口
一般的には「法要」と言い、故人を追善供養する儀式で次のようなものがあります。
故人を偲び、極楽浄土に無事往生できるよう祈る儀式となります。
なお、法要を行う日は亡くなられてから何日目ということで決まっていますが、最近では、その日より早くすることは良いということで、
行われることも多いようです。
法要 | 数え方(亡くなられた日を含む) | |
---|---|---|
初七日(しょなぬか) | 7日目(葬儀当日に行うことも多い) | 不動明王 |
二七日(ふたなぬか) | 14日目 | 釈迦如来 |
三七日忌(みなぬか) | 21日目 | 文殊(もんじゅ)菩薩 |
四七日(よなぬか) | 28日目 | 普賢(ふげん)菩薩 |
五七日(いつなぬか) | 35日目 | 地蔵菩薩 |
六七日(むなぬか) | 35日目 | 弥勒菩薩 |
七七日(しちしちにち) | 49日目 | 薬師如来 |
百か日 | 99日目 | 観世音菩薩 |
一周忌 | 満1年目 | 勢至(せいし)菩薩 |
三回忌 | 満2年目 | 阿弥陀如来 |
七回忌 | 満6年目 | 阿(あしゅく)如来 |
十三回忌 | 満12年目 | 金剛界大日如来/td> |
十七回忌 | 満16年目 | 胎蔵界大日如来 |
二十三回忌 | 満22年目 | 般若菩薩 |
二十五回忌 | 満24年目 | 愛染(あいぜん)明王 |
三十三回忌 | 満32年目 | 虚空蔵(こくぞう)菩薩 |
三十七回忌 | 満36年目 | 金剛薩(こんごうさった) |
五十回忌 | 満49年目 | 愛染明王 |
百廻忌 | 満99年目 | 五秘密(金剛薩) |
・毎朝
仏壇に灯明やお花を上げ線香をたき、ご飯やお茶を供えてご供養し、一日の無事を祈ります。
・新築された時
新しい家にふさわしくご先祖さまにも新しい仏壇を整え感謝の心で一家の繁栄と幸せを願います。
・悩み事がある時
悩みや苦しみをうちあけ対話することにより、新たな勇気と生きるよろこびが生まれます。
・お嫁にゆく時
生家の仏壇に手を合わせ、今日まで守ってくださったお礼と新たな決意を誓ってゆきます。
・初めての給料
封を切らず一番最初に仏壇にお供えし、そのあとで家中みんなで、その喜びをわかち合います。
・うれしい時
よろこびを共にわけあい一層の発展と幸せを誓います。
・子供が生まれたら
神棚と仏壇にお灯明をあげ、報告とお礼とめく末までの幸せをお祈りします。
・子供をさとす時
子供は親の後姿を見て育つといわれます。仏壇の前に正座し、さとすことにより精神が定まり心豊かな子供に育ちます。
・入学・合格・卒業
よろこびと感謝、そして新たな決意をご先祖さまに報告します。
・お嫁を迎える時
花嫁がついたら一番最初に婚家の仏壇にご挨拶をし、新しい一家の一人として報告をします。
・いただき物をした時
季節のものや珍しいものいただきものなどは、まず仏壇にささげてから家中みんなでいただきます。
・就職・昇進・昇給
感謝とお礼、今後の決意をご先祖さまに誓います。
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